コンビニの秘密➀

こんにちは

亀戸はんだプランニングの半田です。

僕は大手コンビニ本部で27年間現場の最前線で仕事をしてきた男です。中にいるときは普通に思っていましたが、外から俯瞰して見るとコンビニエンスには生き残り拡大してきた強みがいくつも存在します。僕は小売りの専門家として一般の人はなかなかわからないコンビニの強みについて、少しずつ解説していきたいと思います。


【小売を取り巻く環境】

まずは全体感・小売業を取り巻く環境ですね、下の図は少し古いが2007年までの25年間の小売業事業所(ざっくりと店舗)の推移です。


事業所数全体では1982年172万所から2007年には114万所まで減っています。どんだけ減ってんねん。アーケード街にしろ商店街にしろ、それだけじゃなくてアウトレットモール、ショッピングモールですら、シャッター店舗が増えているなとは思っていましたが、ああ、こんな減っているんだというのが正直な感想ですよね。

 特に個人商店が厳しいですね。  もうめちゃくちゃです。1972年123万所から2007年57万所まで65万所も減少、25年前の46%しか残っていないことになります。これは10年前の数字ですから2018年はもっと減っているでしょう。当然一部個人商店でも売り上げを伸ばしていって法人化したようなところもあるでしょうから、減った数の全部が全部潰れたとは思いませんが、それでもこの減り方から見るとやっぱり大半は商売をやめてしまったじゃないかなどと思ってしまいます。ほんと厳しい状況ですね。

 じゃあ世間の人は物を買わなくなったんだろうかなどと思いますが、当然そんなことは全くなく下図にあるように小売業全体の売上はほぼ横ばいの状態です。

見ての通り小売業全体の売上高は平成13年136兆から平成23年134兆ですからほぼ横ばいです。ただし中身を見てみると伸びている業態と泣きそうな業態に分かれてきています。

 見ての通り伸びているのはコンビニ、ドラッグストア、そして通販です。

 逆に一時代を築いてきた百貨店も総合スーパーもホームセンターも売り上げを大きく落としています。 これらの共通点は大きな店舗で幅広く大量の品揃えをもってお客様をお迎えするというやり方をしてきた業態です。もうお気づきのように楽天やアマゾン・ヤフーに代表されるネットスーパーにどんどん食われてきているのです。  

結構優秀な人たちが集まっている、一時代を築いてきた業態ですら(あの西武やダイエーですら)厳しい状況になってしまったのですから、いわゆる一般の小売店、家族商店やパパママ商店といわれた商店はいよいよをもって立ち行かない状況になってしまっているのではないかと考察されるところです。



【コンビニ業界の状況】

伸長著しいといわれるコンビニエンスストアですが、その実態はもともとはパパママストアです。 夫婦や兄弟などの家族とアルバイトを数人雇って店舗経営をしていくというのが、コンビエンスストア本部が推奨するモデルパターンです。 今でも新規にチェーンに経営者として加盟するには夫婦、兄弟、親子など家族2名で経営参加することが必要条件になっています(一部加盟店経営者の不足などにより条件は緩和されてきましたが)。

個人商店は厳しいと言われながらも、コンビニは着実に店舗数を増やし、総売上高ももちろんのこと日販も伸ばし続けています。10年で店舗数が15000店増えていますが、平均日販は10年前よりも増加しているのです。大手チェーンは毎年1000店舗以上出店します。コンビニ飽和状態と言われてすで久しいところです。それでも日販を伸ばし続けているのがコンビニエンス業界です。



上のコラムにある通り、セブンイレブンは60ヶ月連続既存店増収(丸5年間一度も前年を割り込んでいない)だそうです。これはほんと凄いですよね、

また一般企業の10年存続率が5%とも10%ともいわれています(要するに10年で9割がつぶれる)。じゃあコンビニはというと10年後も70%前後の店舗がその運営を続けています(中にいるときはそれはとても残念に思っていましたが)。生存率、起業リスクも圧倒的に少ないことになります。


 先で書いたように、コンビニエンスといってもその経営形態はいわゆるパパママストアです。なのにこの差はいったいどこから生まれてくるのでしょうか。 そこがコンビニの店舗経営指導の肝(強み)になってきます。 ここから少しずつ解説していきたいと思います。

亀戸はんだプランニング

亀戸はんだプランニング コンサルティング業務全般 登録中小企業診断士 認定経営コンサルタント 公認ファシリテーター

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